第8回 大学院をとりまく環境 | 文系大学院生の傾向と対策

第8回 大学院をとりまく環境

文系大学院生が

博士号を取得したからといって

必ず就職できるわけではないという状況があるとすれば、

それはなぜなのでしょうか。


大学に閉じこもって、職業生活に役立つ経験を

ないがしろにしてきた人たちが一方的に悪いのでしょうか。

文系大学院生が自分の幼稚さを徹底的に批判すれば

問題は解決するのでしょうか。

それとも、

日本の文系大学院のありかたに何か問題があるのでしょうか。

それは今後変わっていくのでしょうか。

まず今回は大学院をとりまく環境について見ていきます。


前回に言及した

「我が国の高等教育の将来像(答申)」には

日本の高等教育の「グランドデザイン」が書いてあるそうです。

それを参考にしてみます。


21世紀は知識基盤社会になるので、

大学院を含めた高等教育機関は

国家戦略にとって重要になるそうです。

教育水準が高い人は付加価値の高い仕事ができて

国が儲かるので、大学院で学位を取るような人は

日本の社会で歓迎されるはずではないでしょうか。


少子化のせいで2007年には短大・大学に

入りたい人は全員どこかに入学できることになるそうです。

ということは、大学のほうで自分の個性を出して営業努力をしないと、

若い人にそっぽを向かれてしまう可能性があります。


高齢化社会になると、高齢の人が働くことも

珍しくなくなります。仕事のための知識を身に付けたり、

知的探究心を満たしたりする生涯教育の場として

高等教育機関はどんどん地域社会に開けていく必要があります。


必要に応じて高度な知識を身につける社会になると、

従来の学歴偏重型社会は過去のものとなり、

「高等教育機関と実社会との「往復型社会」への転換

が加速する」ことになるそうです。

大学院へ社会人入学するような人たちが増えてくるということでしょう。