第4回 不安の構造(1) | 文系大学院生の傾向と対策

第4回 不安の構造(1)

文系大学院生は不安の中に生きています。


将来はどうなるのだろう?


人によってそれはマイルドな不安であったり、

胃から血が出るほどの激烈な不安であったりします。

不安から抑うつ状態になる人もいます。


不安に共通していることは、

つかみどころがないという点です。


しっかりと自分の今の状態を見定めて進んでいこうとしても、

大学院の中にこもっていると、

自分と世の中の関係がどうなっているのか、

はっきりと判断できる材料がなかなか見当たりません。

文系大学院生の可能性がどれほど限られていて、

今の状態でいることがどれほど危険なのかをはっきりといってくれる人がなかなか周りにいないからです。

でも今のままではいけないのだろうなと、

ぼんやり思いつづけています。


また、自分の今の状態がどれほど危険なものかを

はっきりと理解した場合でも、

その状態からどうやって抜け出してよいのか分からず、

歳ばかり取っていくことにあせり、

希望を失いかけています。


不安の正体が分からず、

まるで真っ暗闇のなかにいるように、

どこに向けたらよいのか分からない全方位の警戒と恐れが続く限り、

文系大学院生は心身を激しく消耗し、時間も浪費し続けるでしょう。